物件を購入した後、両親にお披露目した際、
「ちょっと、中庭の柱、ばっくり割れてるじゃない?大丈夫?」と言われ、
そうかー・・ヤバいなぁ・・。もう買っちゃったし・・・。パテで埋めようか・・。
と本気で考えていました。
それはそれは、上から下までパックリ空いていて、パテなんかじゃ埋めないもの。
どうしよう・・崩れたらどうしよう。と思っていたのです。
そして、良く見たら「銘木 北山」というシールが貼られていました。
め・・メイボク?
中庭の縁側には同じ柱が9本ほどあり、全てにこのシールが貼られています。
そして、柱(縁束で合っているのかな)の下に石が置かれた束石になっています。
銘木とは?銘木北山とは?
先代から受け継いだ家。何が使われているのか、自分の家の事を知るのは歴史を紐解くようで、面白い作業です。ロマンです。
どうやら、銘木「北山」というのは、京都の北山杉のブランドのようです。
そもそも、銘木とは。
由緒があって有名な木。希少価値のあるもので、観賞価値が高い物とされている、らしいです。
また、母が割れている!と言った“割れ目”は、劣化によって割れたものではなく、割れを防ぐためにわざと入れられたもの。
「京都北山丸太生産共同組合」さんのサイトには、北山丸太についてが詳しく掲載されていました。
我が家と同じように、“割れ”が入った写真も!
ウィキペディアにも「北山杉」について書かれていました
ウィキペディアによると、
磨き丸太として室町時代から茶室や数寄屋に重用された。京都市街の北西約20キロに位置する北山地方(現在の京都市北区中川)を中心とする地域は、北山杉の産地として栄えた。京都府の府木に指定されている。
北山杉:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E5%B1%B1%E6%9D%89
割れというのは背割りというらしい
ここまで“割れ”と表現していた切れ目は、「背割り」というらしいです。
丸太や柱をそのまま乾燥させるとひび割れが生じるため、このひび割れを防ぐため、乾燥する前の丸太や柱にあらかじめ鋸目(ノコメ)を入れて乾燥させる「背割り」という技法が使われている、とのこと。
出典:背割りの技法:http://sasakimokuzaibofu.cute.to/sewari.htm
あぶないあぶない。
無知な私たちはこの「背割り」の部分を劣化だと思って、パテで埋めようとしていましたよ。
無知って恐ろしいですね・・。
「西弥」さんについても調べてみました。
シールに貼られた名前「西弥特製 銘木 北山」。
こちらに書かれた「西弥」さんは、“特製”となっているので、西弥さんが作られたということが容易に想像できます。
検索してみたら、「銘木商 西弥商店」さんという所が出てきました。
銘木商・・・いい響きですね♪
西弥商店さんご自身のサイトは見つかりませんでしたが、調べたら京都には木材銘木商がたくさんが存在していて、その中のひとつのよう。
ものすごく検索したら「京都の木 検索ナビ」というサイト内の「展示施設」の紹介の中に、西弥商店さんが磨き丸太を展示されていました。
あぁ・・きっと西弥商店さんは、京都から遥々離れたこの地で「北山」に会い、調べながらロマンを感じている家があるなんてことは思ってないんでしょう・・。
http://www.kyomokumoku.net/contents/2.html
巡り巡ってご縁をいただきました。
ありがとうございます。
こんな風に先代が建てた家にロマンを感じながら、楽しんでいます。
なるべく形を変えないように、大切に大切に住んでいきます。